ボイスレコーダーが語る真実
著者:マルコム・マクファーソン

怖かったね、これ。
事故機のボイスレコーダーを文章で紹介しているだけなんですけど、全て真実!ノンフィクション!ドキュメンタリー!なんですよ。もともと日航123便の事故調査に興味があって、航空機事故についての情報は色々と集めたり、読んだりしていましたが、、、。28例もの事例を一挙に目を通すと、事故に対する恐怖と同じくらい、操縦機能を失った飛行機を何とか立て直して復航させようとする、パイロット達の極限の努力に感動します。
今まさに墜落しようとしている瞬間を、音声で記録している訳ですが、まざまざと人間模様が浮き出ています。トラブルの状況が判らないまでも、最大限の努力を試みる機長がいれば、解からない事に終始して、解決の糸口を見出せないまま墜ちていく機長もいます。事故原因の多くはヒューマンエラーによって引き起こされています。飛行機がどんどんハイテクになるに連れて、昔よりも大幅に事故の発生率は激減しているのですが、稀に発生する事故で、一度に多くの方が亡くなられるので、どうしても報道が大きくなってしまう。大きな報道になればなるほど不安になるわけですね。巻末に書いてある事で、その不安を軽んじるならば、NYで車を運転する事の方が、数百倍も事故にあって死ぬ確立が高い。とか、年間で交通事故で40,000人もなくなっているとか、、比較が出てきます。そんな相対的な数字を見ても飛行機は安全と思えないのは、あの巨大な物体が空中に浮いているという事実。事故のように一瞬で起きてしまうのではなく、墜落するまでの時間がある程度長い。この時間が不安を増長するのだと思います。なぜなら、自分が乗っている飛行機が墜落を始めたら、、、巡航高度13,000ftを飛んでいたら、垂直降下でも約5分の時間がある訳です。この5分を考えると、、、たまらなく怖いのです。

この本、生き残ったVerも同時に発売されています。
こちらを読んで、楽になろうと、、思ったら、これもまた、死と生還の境は隣り合わせ、というより重複していて、運一つなのです。という事は、やはり日頃の行いなのかな〜。