1/25 天気/雪〜小雨〜曇り 気温/昨日に引き続き冷え込んでいる
007-01
ダニエル・クレイグ主演「007」2作目
前作の「カジノロワイヤル」は低迷しつくしてどん底にあった007シリーズを一気にスリリングで、本格的なスパイ映画として復活させた名作となった。
この作品はジェームズ・ボンドがMI6で「00コード」を持つ前の駆け出しの状態から話が始まっていて、油が乗って女性とあらば口説く往年のボンドとはまったく性格の違う、任務に打ち込む冷徹な性格を持つボンドとして描かれている。
よって、不必要なベッドシーンはなく、全編を通して緊張感ある展開となっている。特に個人的に気に入った点は、これまでのボンド映画の一つの特徴ともいうべき「秘密兵器」が一切出てこない所だ。レーザー光線を発して鉄棒を溶断する時計、氷上を走り回り、光学迷彩を搭載するアストンマーチン、水陸両用のロータス等、そんな馬鹿な〜という装備は一切無し!武器は己の肉体と頭脳と情報力だ。世界のどこにいても確実な情報を得ることが出来る携帯端末(現在の通信技術力から言うとありえないのだが)が唯一の強力な武器といえる。
往年のボンドファンから言わせると、ダニエル・クレイグは顔のつぶれた役者だとアンチサイトまで出来るほどの不評だったが、この映画が公開されると同時に賞賛に変わった。彼が原作のイメージに一番近いとも言われているとか。

評価:★★★★☆

さて、ダニエル・クレイグ007の2作目「慰めの報酬」が1/24公開された。
昨日は雪模様なので見に行かず、今日出かけてきました。
007-02
ストーリーは前作からの続き。
カジノロワイヤルは、スメルシュの工作員である「ル・シッフル」が南米の反政府組織から資金を得て、ある航空会社の株操作を行い、不当な利益を得ようとした所をボンドが阻止する。元手となった資金を失ったシッフルは穴埋めをしなければ命が無い。そこでロワイヤルホテルのカジノで行われるバカラで一攫千金を狙う。そのバカラでシッフルを負かせて彼を破産させて身柄を拘束しようとするMI6とCIA。ボンドは見事勝利し、この勝負の資金はイギリス政府から出され、その資金を管理するために一緒に行動していたヴェスパーと一緒にイタリアに戻る。これまでの争いの中でスパイ家業に嫌気がさしたボンドはMI6を辞職してヴェスパーと一緒になることを決意する。ところが、ヴェスパーはある組織に脅されてシッフルから巻き上げた資金を持ち逃げする。それを追ってベニスで正体不明の組織と死闘を演じるがその中でヴェスパーを失ってしまう。彼女が残した手がかりから、背後に大きな組織が関与していることを知るボンド。資金を持ち去った「Mr.ホワイト」を突き止めて身柄を拘束する。ここまでが前作。

今度の話は、Mr.ホワイトの足を撃ち抜き、車のトランクに押し込めてMI6の尋問を受けさせるために隠れ家に急ぐボンドのアストンマーチンをカメラが捕らえる所から始まる。突然、2台の黒いアルファロメオ159が迫りきなり銃撃を加える。(悪役の車としてアルファほど似合う車は無いな、、)広々とした道ではなく、海岸線の片側1車線。しかも一般車が沢山走っていて逃げ場が無い状況。この中でカーチェイスが始まる。銃撃を受けながら何とか交わして逃げるアストンマーチン。他の車を強引に押しのけて走る。追い抜く隙間が無い中、前をトラックがのんびり走っているのを強引に対向車線に出て追い抜く。後ろから容赦ない銃撃。トラックと接触してドアも吹き飛びもうグチャグチャの状態のカーチェイス。このシーンはものすごくリアリティが高い。追いかけるアルファロメオがよけきれずにトラックと正面衝突!グシャっとつぶれるフロント。以前の007シリーズだとここで大爆発!だが、このシリーズではそんな「演出」は無い。からくもわき道へ逃げるボンド。アルファロメオは執拗に銃撃を行いながら後を追う。少し道幅も広がり他の車がいなくなったおかげでマシンガンを取り出す事が出来、併走した瞬間に一連射。縁石を吹き飛ばしながらアルファロメオは崖下に。ここでも爆発はなし。よしよし。ここまで始まって約4〜5分、最初からスピーディな展開。
ん〜これは期待できそうです。

で、評価:★★★☆☆
前作よりちょっと過激な演出が鼻に付いた。また、ストーリー展開が速すぎてついていけない。よってボンドの心情を読み取って感情移入する時間が無い。
あっという間に終わってしまったが、感想としては今一つ。
じっくりとカメラを据えてストーリーを楽しみたかった。
前作はダニエル・クレイグ初回作という事で、ストーリーは咬んで含めるように、非常に丁寧な運びだったが、今作はいきなり面倒な説明は省いて展開のスピード重視になっていた。鑑賞中には??な部分は、後で考えると「こういう事なのかな?」と理解できる感じ。説明不足と不自然な展開が目に付いて、素直に楽しめなかった。
<ネタバレ注意>
・初回のカーチェイス:リアリティは高いのだが、カメラワークが忙しすぎて何がなんだか良くわからない。もう少し落ち着いたカメラワークが欲しかった。
・ホワイトの尋問シーン:突然腹心の部下が裏切って銃撃を行う。逃げる彼を追ってバルクールばりのスタントが繰り広げられる。結局撃ち殺してしまい手がかりはパ〜。現場に戻ると血痕を残して綺麗さっぱり片付けられている。ホワイトはどうなったのか?まったく描写が無い。現場はMI6がコントロールしたのだろうか?
・謎の男、謎の女:MI6本部で関連情報を分析して新たな手がかりとして一人の男が浮かび上がる。情報を聞き出すためにホテルに向かうのだが、いきなり格闘になり刺殺。フロントでアタッシュケースを受け取る。突然女が現れてボンドに乗れという。だれ?この人。素直に乗るなボンド。で、いきなり撃たれるし。この伏線はわからない。
・CIAが介入してくる。CIAの狙いはボリビアでの地下資源の採掘権の獲得と見れるが、、
・オペラでの秘密会談:単なる厚みを持たせるための演出か?と、おもったが、謎の組織に名を連ねる人物はそれぞれ重要なポストにいる人物ばかり。その者達が一同に解しても怪しまれない場所として選ばれたと後で気づいた。
・空戦シーン:なんでそんなでかくて旧式の飛行機を選ぶのさ〜、すぐ横に性能の良い小型機があるじゃん。しかもでかい飛行機には荷物を載せたままだし。意味がわからない。
・ラストシーンの砂漠のホテル:砂漠のど真ん中にあるホテルなので、発電を燃料電池に頼っていると言う事だが、この燃料電池、、、ほとんど爆弾です。1個爆発すると連鎖爆発。危ないじゃん。残念な演出だった。

この他にいろいろ、「わかるよね、、この位。」という監督のサービス精神に掛ける展開が多かった。この監督さんで次回作は見たくないな。