2010年07月18日

0718:借りぐらしのアリエッティ

7/18 天気/晴 気温/猛暑!梅雨明けしました。

博多の祭り、山笠が終わると梅雨明けするのは例年の事ですが、
今年はくっきりとそれを実感できます。

さて、3連休ですが旅行の計画などないので、
いつもの週末と変わりありません。
土曜日にジブリのアニメーションが封切になったので、
十月を連れて見に行ってきました。
アリエッティ

素直な評価、というか感想を言うと、
小作品という感じです。
一本立てて見せるシナリオになっていなかった。
言い換えると、ストーリーがお粗末だった。
映像はいかにもジブリという感じで安心して見られるが、
悪くはないが、良くもないという作品。

登場人物の事情を説明するだけに終始しており、
見る側の感情移入を促すプロットもなく、
話の盛り上がりを見せた所で、そっけなく場面が切り替わる。
メッセージを伝えられない映画だった。
身長10cmの小人からみた人間世界を描いた映像はよく出来ていたが、
これまでに、トイ・ストーリーなどで、サイズギャップの設定は見てきており、
そのギミックに新しさはなかった。
また、人間に見られてはいけない。
このテーマもすでにトイ・ストーリーで語られており、
いみじくも同時期にシリーズ3作目が公開されており、名作との評判が高い。

では、ジブリは同じ環境の中で何を見せるのか?
実はジブリでもきちんと整理出来ていなかったのではないだろうか?
トイ・ストーリーでは出来なかった、人間との交流をもっと積極的に描けばよかったと思うのだが。
見られてはいけないが、見られてしまった。でも、人間との交流が出来た。
小人って滅び行く種族なんだよね。と言わせておきながら、その部分に話が寄っていかない。

新人監督は作画上がりということで、絵は丁寧だが、感動させる話へ持っていくだけの技量はまだ無かった。
次回作に期待。という所。

宮崎駿さんが、自分達も歳をとった。若手の育成を国任せでは出来ない。
だから自分達が自身でやっている。
ブルータスでは、一つの事は約50年で終焉を迎える、かの浮世絵も最盛期は50年ほどだった。
アニメも一つの時代を終わろうとしている。
自分達がやってきたアニメなるものはもうすぐ終わる。
次の時代を切り開く若手を今育成しないと次は開けない。
そいう意味での今回の未経験若手監督起用だったと話している。
そうか、一つの事は50年で一区切りが来るのか。
そうかもしれない。この世に永遠というものはないのだ。

<ネタバレ>

アリエッティ(14歳)と両親は、東京近郊にある、一軒の古い洋風の日本家屋の床下に住んでいる身長約10cmの小人だ。
彼らは、人間から日常的な物を借りてきて生活を営んでいて、
「人間に見られてはいけない」という掟の元、ひっそりと暮らしている。
そんなある日、この家の親戚で心臓を患う少年「翔」が、手術までの日をこの静かな家で療養するためにやってくる。
この家にはコテージがある広い庭があり、樹木も鬱蒼と茂っている。
翔は越してきたその日に庭でアリエッティを見かける。
わずかに葉の陰にちらっと見えただけだが、しっかりと印象に残った。

アリエッティ達は、人間たちが寝静まった頃を見て、生活に必要な物資を借りに出掛けていく。
「借り」だが、ここでは「狩り」と同意語として使われている。
様々な危険が伴なうので、ある年齢にならないと「借り」に行くことが出来ない。
今夜はアリエッティが初めての借りに行く晩だ。
お父さんと一緒に人間の家の中に入って行く。
この辺りの設定は非常に凝っている。
小さな釘が足場になっていたり、壁の中を上にあがるエレベーターが糸車で出来ていたり。
いろんな場面で想像力を働かせている。
高いテーブルの上に上がるために両面テープを手足に貼りつけて登って行くなど、そのシークエンスには感心する。お母さんからの注文の品「角砂糖とティッシュ」。無事に角砂糖を台所で手に入れて、ティッシュを手に入れるために2階の寝室に入っていく。
壁の中からドールハウスの中を通って、サイドテーブルに到着する。
二人がかりでティッシュを引き抜こうとしていると、目の前に翔が薄目を開けて見つめているのに気づく。
驚いたアリエッティは、そうっとティッシュの裏に隠れて、速やかにその場を立ち去るが、その時に角砂糖を落としてしまう。コトーンと絶望的な音が部屋に響く。
上手く行かなかったとその日はお母さんに報告するが、翌日床下の換気口の所に角砂糖とメセージが添えられて置かれる。人間に見つかってしまったのだ。これは引っ越さなければならないかもしれない。
危険だから触ってはいけない。とお父さんに言われ、様子を見ることに。
その日の午後には、アリたちが群がって、小さくなっていく角砂糖。
その様子をみているアリエッティ。
意を決して、半分になった角砂糖を持って蔦づたいに2階の部屋に上がっていくアリエッティ。
このシーンがポスターになっている。
窓の外から、角砂糖のかけらを部屋の中に投げ入れる。
それを見て、翔は小人が来たのだと気づく。
窓越しに影だけを見せながら会話をする二人。
小人は人間に姿を見られてはいけない掟だと伝える。
夕食の時に翔は代々この家には小人が住んでいると言われ、お爺さんが特注で作ったドールハウスはその為だと聞かされる。

掴みはばっちり!だが、ここからストーリーが盛り上がらない。
お手伝いさんが偶然に小人の家を発見してお母さんを捕まえてしまうシーンや、害虫駆除業者を呼んで小人探しを依頼するシーンなど、ハラハラする所はあるのだが、なぜこのお手伝いさんの婆さんが小人を敵対視しているのか?など不明な所というか、不要なエピソードが入る。このシーンでのお手伝いの婆さんの行動が気持ち悪い。小人ではあるが、見た目は人間で言葉も話しているのに、まるで虫でも扱うように瓶に閉じ込めてしまう。このシーンの意図が全くわからない。何を伝えたいのだろうか?
結局はこの出来事が決定打となり、アリエッティ一家は引越しを決意して出ていくことになる。

個人的な感想としては、アリエッティと翔の絡みをもう少し丁寧に描いて欲しかった。
この現代において、そうそう小人が人知れず生活していく環境は多く残されていないはず。
旅立って行く彼らの先に明るい未来があるとは思えず、暗い気持ちになった。
全てが中途半端で終わってしまい、はて、何が言いたいの?という感じ。
感想らしい感想も思いつかないので、これをまとめるのも散文的だ。
絵と音楽はよかったけど、脚本が全く駄目だった。
それと、いい加減にジブリは素人を声優に当てるのをやめるべき。
抑揚もなく、滑舌の悪い女優の卵みたいなのが声を当てると興ざめしてしまいます。

付け加えると、後ろの方の席で大鼾をかいて寝ていたおっさん。
あんたの気持ちはよくわかるよ。
しかし、余計に悲しくなるので寝るなら外で寝てね。