06/07 天気/晴れかな? 気温/梅雨入り前の少し肌寒い感じ

彼らの流儀 沢木耕太郎

彼の深夜特急は貪るようの読んだ。
一人日本を出て香港・マカオの裏町を徘徊する。
わずか数百円の安宿の大部屋に泊まって知らない街を歩き、初めて会った人と会話をして食事をし、翌日にはそれぞれの目的に旅立って行く。
皆若く貧乏だが何かを探して旅している感じに惹かれた。
自由と引き換えに得たもの、失ったもの。
そのコントラストにリアリティを感じた。
バックパッカーのバイブルと言われたこの本の5年後、1991年の作品。

旅物からの脱却を図っていたのだろうか?
ノンフィクションでもなくルポでもなく小説でもなく。
しかし、事実としての生き様が33篇柔らかな視線で書かれている。
新しい文体で望んだ作品と本人もあとがきに書いている。

人の人生って、切り取り様によっては皆この様に輝いたり、考えさせられる所があるのかもしれない。
取材によって書かれた事実だから小説のような綺麗な終わり方にはならないことも多い。
しかし、積み重ねられた時の重みを感じる。

この本は何度も読み返すことになりそうだ。